Yukino Yamanaka「Eclipse」 at PARCO MUSEUM TOKYO

この度、PARCO MUSEUM TOKYOにて、山中雪乃による個展「Eclipse」を
2025年8月1日(金)～8月18日(月)11:00-21:00まで開催いたします。

We are pleased to announce that a solo exhibition by Yukino Yamanaka, “Eclipse”, will be held at PARCO MUSEUM TOKYO from August 1st (Friday) to August 18th (Monday), 2025, from 11:00 AM to 9:00 PM.

■ 展覧会情報/Exhibition Info

山中雪乃はこれまで、人間の輪郭と現象のあわいに揺らぐ、不定形で非人間的な存在を描いてきた。具象と抽象、身体と空白、自己と他者——その間に浮かび上がる“なにか”に触れるようにして、描くという行為を通して可視と不可視の境界を探ってきた。

 本展の新作品群は、絵画表現のなかで行われる筆のストローク、たれ、かすれ等に加え、タイトル「Eclipse」のように、影を呼び出し、一部の光を遮ることで別の像が浮かびあがる現象を期待して制作されている。影や反転、奥行きのレイヤーが加わることで、これまではっきりとしていたモチーフに含まれるそれぞれのパーツが隠される。そのことにより、視覚的な確かさを与えるための影が、像そのものの構造を曖昧にする。

 明瞭さと不確かさが同居する感覚。見えないまま漂っていた存在が、何かの拍子に現れ、しかしすぐにまた形を失う——その過程にあるものこそが、山中の絵画であり、私たち自身でもあるのかもしれない。

Exhibition Title: Eclipse
Artists: 山中雪乃/Yukino Yamanaka
Dates / 会期: 2025年8月1日(金)～8月18日(月)11:00-21:00

■ Artist

Yukino Yamanaka/山中雪乃 @yukino_yamanaka

山中雪乃は1999年、長野県生まれ。現在は東京と神奈川を拠点に活動する。2023年、京都芸術大学大学院を卒業。これまで人間の物質としての輪郭と現象としての状態の双方に注目し、そのあわいに蠢く不定形で非人間的な存在を描く。初期より一貫して人物をモチーフとし、そのスタイルは具象的な描画からランダムなストロークを用いた抽象的な描画へと変化している。白飛びのような情報を欠いた空白、身体の隙間にだらりと流れる液体、セルフィーやアーティスト写真を思わせるエゴイスティックな表情やポーズ。それらが画面全体へ溶け込むように描かれることで、「私」から「何か」への変異のプロセスそのものを捉え、これまでの人間像から脱しつつある未完の存在としてのわれわれの姿をあらわにしている。

Yukino Yamanaka, born in 1999 in Nagano Prefecture, is currently based in Tokyo and Kanagawa. She graduated from the Kyoto University of the Arts Graduate School in 2023. Yamanaka has meticulously focused on both the contours of humans as physical entities and their conditions as phenomena, portraying the amorphous and non-human entities that lurk within this interstice. From her early works, she has consistently employed human figures as her central motifs. Her artistic style has transitioned from a representational depiction to abstract renderings utilizing random strokes. The canvas exhibits blanks reminiscent of whiteouts devoid of information, languidly flowing liquids in bodily crevices, and egoistic expressions and postures evoking selfies or artist portraits. By seamlessly integrating these elements across the canvas, she captures the very process of metamorphosis from the "self" to an ambiguous "other," elucidating our evolving visage as an entity inchoate and diverging from the conventional human archetype.